科学・医療が発達した現在でも、人間はその人体についてすべてを理解したとは言えません。
通常では考えられない状況で、予想だにしないことが起こり得る。
それは人体の奇跡であり、永遠の謎でもあるのかもしれません。
今回ご紹介するのは、人間の生命力の高さを改めて認識させられる事象です。
助からないと思われた命に奇跡が起こる科学的メカニズム。
自ら人間の限界に挑み、驚愕の記録を打ち立てた科学者。
あなたはきっとこの知識を知った後、今以上に動じない鋼のハートを手に入れていることでしょう。
■○○○○の中で40分間生きられた少年
医学界でこのような表現があることを知っていますか?
「身体を温めても死んでいるのなら、それは本当に死んでいる」
なぜこのような表現があるのかというと、重度の低体温症に陥った患者は「死んでいるかのように見えて、実際にはまだ生きている」というケースが数多く存在するためです。
実際にあったケースをご紹介します。
とある街の寒い時期に5歳の少年が凍った川の氷の割れ目から水中へ落ちてしまいました。
少年が救助されたのは冷たい水中へ落ちてから約40分後。
救出時には既に呼吸もなく、肌は青紫色に変色していたといいます。
このとき、少年の体内の中枢温度は24℃にまで下がっていました。
しかし、心肺蘇生術により少年は2日後には意識を取り戻し、8日後には退院。
しかも、脳への損傷も見られなかったのです。
人間の身体は、急激な温度低下にさらされると、寒さから代謝が大幅に抑制され、酸素をほとんど使わない「仮死状態」になるといわれています。
この「仮死状態」のおかげで、救出までに時間を要しても奇跡的に息を吹き返すケースが数多く発生しています。
特に今回のケースのようにまだ幼い子どもの場合、身体が小さいために体温低下が急速に起こり「仮死状態」を引き起こしやすいとされています。
■人間は○○○○まで耐えられる
1774年、イギリスである実験が行われました。
その実験とは「人間は何℃まで耐えられるのか?」というものでした。
実験の中心となったのは科学者の「ジョージ・フォーダイスとその仲間たち」。
名前だけ聞くと愉快ですが、彼らはなんと自らが実験台となってこの疑問の解決に挑戦しました。
実験内容は以下の通りです。
①サウナを65℃に設定し、20分間測定する。
②その後72℃に上げる。
③休憩を挟み92℃に上げる。
ここにきて被験者は呼吸のたびに気管が焼けただれるような痛みを感じ、耳鳴りや手足の震え、めまいなどが生じたといいます。
そして、この時点で室内に複数個用意されていた温度計は、その高温によって歪んでしまいました。
最終的にこの実験では1人の男性医師が127℃まで耐え抜いたとされています。
当人は実験後に「肺への圧迫感が不安になるほどすごかった」と語っています。
まさに意識を失う寸前、絶命の寸前であることが伝わるようなコメントです。
また意外なことに、実験中に被験者の体温を計ったところ、身体は至って平熱の「36.7℃」であったことが判明しています。
一方比較として被験者の傍に置かれていたステーキは中まで火が通っていたそうです。
人間の体温維持機能は、高温に対しては強いということなのでしょうか。
いやはや謎です。
この実験での記録は、のちにアメリカ空軍が行ったとされる実験で更新されます。
その温度はなんと「204℃」。
乾燥した空気の中という限定的な環境下での記録でしたが、その被験者は全裸で挑んでいたとされています。
■まとめ
いかがでしたか?
急激な温度低下にさらされれば「仮死状態」により命を吹き返し、高温では体温変化を生じずにある程度耐えることができる。
人間の身体は、実は私たちが思っている以上に頑強に出来ているのかもしれませんね。
「とんでもない実験をする人がいるなぁ」とは思いますが、こんなことを考える人たちのお陰で、私たちも人間のことについて少しづつ理解を深めているともいえます。
しかしながらこんな実験を考えつくこと自体、「人間特有の謎」なのかもしれませんね。
最後までご覧頂きありがとうございました。