とある田舎町に一台の荷車を引いている行商人の老人がいました。
荷車いっぱいに商品を載せて運んでいます。
たまたま近くを通りかかった若者が「手伝いましょうか?」と尋ねると、老人は嬉しそうに頷きました。
若者は荷車の後ろを力一杯押し、老人も楽になったようで喜んでいます。
しかし、しばらくすると若者はそれまでとは反対方向、つまり老人が進もうとしている方向とは逆に向かって荷車を押し始めたんです。
でも老人はまったく怒らず、むしろその若者に感謝したと言います。
一体なぜでしょうか?
どうでしょうか?
わかりましたか?
どうしてもわからないときは、下のヒントを一つずつ確認して考えてみてください。
■ヒント
【ヒント①】
「登場人物は老人と若者の二人だけです」
【ヒント②】
「若者は荷車を押すこと以外はしていません」
【ヒント③】
「同じ状況であれば誰でも同じことをするでしょう」
【ヒント④】
「若者が荷車を"押した"ではなく"引いた"でもいいです」
【ヒント⑤】
「平坦な道とは限りません」
それでは答え合わせです。
■解答
答えは「下り坂になったので、荷車が下っていかないよう進行方向とは逆方向に荷車を押して速度を調節していたから」でした。
【解説】
特に解説も要りませんね。
若者が優しさから取った行動です。
『進行方向とは逆方向に荷車を押して喜ばれる場面』を想像できた方には解けたと思います。
そう考えると実はこの問題の答えは他にもいろいろ考えられます。
『老人は目が見えていなくて危ない方に向かっていた』とか考えられますね。
問題の文章上にない情報を付加した答えというのは正答とは言い難いですが、あなたの優しさが生んだ答えであれば、それはみんな正解だと私は思います。
■最後に
いかがでしたか?
いい頭の体操になりましたでしょうか?
短い時間で想像力を働かせて可能性を探り、順序立てて考察することで脳はとても活性化されます。
いつまでも柔軟な発想力を持った脳を維持するために、機会があれば是非また違う【謎解き】にも挑戦してみてください。
それでは、また次回の【謎解き】でお会いしましょう。