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老木レディスクリニックで死亡事故 相次ぐ無痛分娩をめぐる事故 その原因と実態に迫る

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2017年10月6日、大阪府和泉市の産婦人科医院「老木レディスクリニック」の男性院長(59歳)が、業務上過失致死の疑いで書類送検となった。

今年1月、無痛分娩で出産中だった当時31歳の女性が麻酔の影響で意識不明となり、その後適切な処置を施されず死亡した。

原因として硬膜外麻酔を行うはずだったが、注射の針が硬膜を貫通していたことが判明、結果麻酔が想定した範囲を大きく上回り呼吸困難に陥った可能性が高いとしている。

またその後の処置として院長が人工呼吸や酸素吸入など適切な処置を怠ったことが過失にあたると判断された。

現在、日本産婦人科医会は無痛分娩の事故の実態調査を始め、秋ごろに結果をまとめる方針であることを明らかにしている。

男性院長(59歳)の説明

「女性の容体の変化の速さに対応が追いつかなかった」として、概ね容疑を認めている。

しかし、容体変化後の適切な処置を怠った原因については言及せず、現場で行われた対応については疑問が残る。

そもそも無痛分娩とは?

無痛分娩とは、麻酔をつかい陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法。

分娩時には「いきむ」必要があるため、全身麻酔のように完全に眠ってしまうわけではなく、痛みをやわらげつつも意識はある状態。

通常のお産と同様に意識があるので、緊急帝王切開時では不可能な「出産直後すぐに赤ちゃんを抱っこ出来る」という大きなメリットがある。

しかしながら、自身で陣痛の痛みを感じることが困難なためうまくいきめない、また麻酔の効きづらい人にとっては通常の分娩時と大差ない痛みを伴うなど、予期せぬデメリットも存在する。

無痛分娩による死亡事故の実態

無痛分娩をめぐる事故がニュースに多く取りだたされ、この分娩法に疑問を唱える声も少なくない。

そんな中、今回医師が書類送検されるという事例は異例で、無痛分娩に対する認識を改める必要があると感じさせる出来事であった。

厚生労働省研究班は、2010年1月から2016年4月の間に報告された、出産時における死亡事例「298件」から、無痛分娩による死亡事故を「13件」と発表している。

年間100万人にも及ぶ出産の中で、その実死亡事例はおよそ6年間で298件、無痛分娩によるものは13件と、その数は限りなく小さい数字だと私は感じた。

おそらく無痛分娩と呼ばれる出産方法自体にリスクがあるわけではなく、今回の事故のように何らかの不十分な対応、処置による要因が多いのではないだろうか。

無痛分娩時の死亡事故原因として「呼吸困難」であることが、それを物語っている気がしてならない。

日本ではまだ普及率が数%しかないこの無痛分娩だが、欧米では広く普及しており、半数以上の人が無痛分娩による出産を取り入れている。

無痛分娩自体が高いリスクを伴う出産方法ではないことはわかったが、医療機関でのミスが存在するのもなくならない事実。

最終的には出産する女性自身で判断すことになるが、出来ればすべての人に元気な赤ん坊を産んで欲しいものだ。

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