災害時に備えて備蓄する際、よく『最低でも3日分の食料を備蓄するべき』と言われているが、その理由をご存じだろうか。
実は大規模な災害が発生した後、公的な機関が本格的に動き出せるまで3日はかかるとされており、この3日間を自力で乗り切れれば救助や支援を受けられる可能性が飛躍的に高まる為『最低でも3日分の食料を備蓄するべき』と言われている。
ただ、闇雲に3日分の飲み物と食料を準備するだけでは、いざという時に賞味期限が切れていたり、結局期限が過ぎるまで使わず捨ててしまうということになりかねない。
災害時に必要な備蓄をする上で、ちょっとしたコツや注意点を知るだけでも、多くの無駄をなくし有効な備蓄品を選択すことが出来るだろう。
今回はそんな災害時の為に備えておくべき備蓄に関するコツといくつかの注意すべき事柄についてご紹介しよう。
備蓄を無駄にしない『賢い備蓄品の選び方』
非常食と言えば"乾パン"と"水"。
普通に備蓄品を考えた時に思い浮かぶ代表であろう。
しかし現在では少し変わってきている。
確かに長期間保存が出来る"乾パン"やナチュラルな"水"は有難い備蓄品だが、災害時以外にそうそう使うことがないのもひとつの問題と言えるのではないだろうか。
一昔前とは違い、賞味期限が比較的長いお菓子やカップ麺、レトルト食品なども増えてきている。
実は今の時代、ほとんどの家庭で備蓄品を備えていると言ってもいいほど、買え置きしている保存食は多いのだ。
『買え置きは出来るだけしないようにしている』という方も多いかとは思うが、災害時用の非常食と考えれば決して無駄遣いにはならず、むしろ良い備えなのだ。
また普段から食べる機会の多い食品であれば、賞味期限前に普通に食べて、また新しい食品を用意しておくなどローテーションも自然と出来る。
"普段から食べられるもの以上に備蓄に適したものはない"と認識することで、結局期限が切れて捨ててしまうような食品を買うことは確実に抑えられるはずだ。
備蓄品を選ぶ際の注意点『"ストレス"と"アレルギー"』
普段食べられるもので良いとした備蓄品の中でも、"これだけは注意しなければならない"といったケースがある。
まず1つ目は『赤ちゃん用の粉ミルク』だ。
特に普段赤ちゃんを母乳で育てている母親に気をつけて頂きたい。
実際に確認されている事例として、被災した"ストレス"から母乳が出なくなってしまうことがあるからだ。
何をもってしても絶対に救いたい命である赤ちゃんに、必要な栄養が与えられないとなってはいてもたってもいられない。
母親であれば言われずとも少なからず用意はしていると思うが、実際に被災した時のことも考えて、予備の粉ミルクを準備しておくことも検討して欲しい。
次に『アレルギー対応食品』だ。
これは特に命に関わるようなアレルギーを持つお子さんがいる場合には十分注意しておかなければならない。
被災地への支援物資の中にはアレルギー対応の食品が送られてくることはもちろんあるが、それが必要な人の手元にまで行き渡るかどうかはまた別問題だからだ。
実際、被災地で暮らす食品アレルギーのお子さんを持つ母親は、多くの場合避難場所で困ってしまうようだ。
最悪の場合はもちろん助け合うことで困難を乗り切っていくわけだが、想定される問題について対策しておくに越したことはない。
自分の大切な命や、誰かの大切な命を守るためになるかもしれない。
過去の経験から得られた教訓は、備えておくべき準備と知識として、頭に入れておこう。
持病を持つ方は特に準備を『医薬品の整理』
持病を持つ方であれば誰しも準備はしていると思うが、必要な医薬品を整理することは大変重要なことだ。
防災用品と一緒に管理するまでではなくとも、家から避難する際すぐに持ち出せるよう、決められた場所で管理することが大切だ。
また災害時に身元が確認しやすいよう『運転免許証』や『保険証』、『障害者手帳』や『母子手帳』といった身分証も決められた場所で管理することが望ましいと言えるだろう。
もちろん定期的に防災用品の中に入れている常備薬の使用期限を確認して、必要であれば交換することも忘れてはいけない。
また防災用品の仕分けに袋を使用する際は、中身が簡単に確認出来て取り出しやすい透明なものを使用するといざという時に便利だろう。
最後に
こうした準備をすることで、最悪の事態を避けることが出来るかもしれない。
実際にすべてのものを準備するとなるとなかなかハードルが高いこともあるので、出来る範囲の対策でもいいと付け加えておきたい。
"出来ないからやらない"のではなく"出来る範囲だけやる"だけでも十分に効果があるのだ。
習慣として身に付くように、一つ災害時用のバックを用意し、その中に避難する際に持ち出す道具を少しずつ加えていく方法もある。
残念なことに市販されている『防災バッグ』や『非常時持ち出し袋』では、本当にその人にあった内容物でない場合も多い。
この機会に、避難する時に持ち出すべき必要のあるものを見直してみてはいかがだろうか。
意外と一つのバックに収まって、管理が楽になるかもしれない。