カナダのモントリオールで行われている世界選手権で、個人総合7連覇を目指していた日本の至宝「内村航平」(28歳)選手が、予選2種目目の跳馬で着地した際、左足すね付近を痛め途中棄権した。
「内村航平」選手は初優勝となった2009年の世界選手権から、前大会の2015年まで史上最多の6連覇を果たしていた。
また、2012年開催のロンドンオリンピック、2016年開催のリオデジャネイロオリンピックと両オリンピックでも個人総合で優勝を飾っており、今回の世界選手権でも当然の如く優勝候補の筆頭で「世界選手権7連覇」が確実視されていた。
棄権までに至った理由とは...
まさかのアクシデント。
予選2種目目の跳馬で披露したのは、高難度の大技である「リ・シャオペン」。
「内村航平」選手自身でも「毎回跳ぶたびに命の危険を感じている」と話すほどの高い難易度の技で、実は9月29日の本会場練習の場でも失敗をしていた。
着地した際に左足すね付近を痛め、後に本人も「跳馬が終った後は歩けないくらい痛くて、少し我慢すれば出来るという状況でもなかった。」と話している。
次の種目である平行棒までに懸命なケアを続け、痛みに堪えつつ平行棒の演技を行ったが、これ以上の競技続行は不可能と判断し、4種目目の鉄棒の演技前に棄権した。
「万全の状態では出来ないので、諦めはついた。」と本人は振り返っている。
内村選手の心境や如何に!? 東京オリンピックは!?
オリンピック、世界選手権を合わせた8年連続の世界一を含め、9年間続いた国内外の大会での連勝記録が「40」で止まった。
ケガによる棄権のため仕方ないとは言え、内村選手の受けたショックは計り知れない。
それでも彼は「少しでも長く、カナダのこの会場にいてやろう。」という強い思いで3種目目の平行棒も演技を行ったようだ。
「ケガするということは、まだ下手なんじゃないか。しっかり治して這い上がってやろうと思う」と、まだまだ棄権のショックが大きいであろう時にも関わらず、新たな意気込みと闘志を感じさせるコメントを放った。
2020年の東京オリンピックに向けて個人総合を続けるか、種目を絞るかについては、
「違う形で東京へやってもいいのかもしれない。でも、それだと自分の中で逃げているんじゃないかという部分もある」と話した。
「内村航平」選手の本当の強さ
今回のアクシデントにより、その困難の受け止め方で「内村航平」選手の本当の強さを垣間見れた気がした。
その強い精神力と向上心により、今回のアクシデントすら自らを成長、前進させるための原動力とする構えだ。
思わぬアクシデントにより数字としての連勝記録はストップしてしまったが、大き過ぎる重圧をすべて投げ捨て、生き生きとした演技で今後の大会で大暴れして欲しい。
東京オリンピックの舞台で絶対王者として3連覇を果たす快挙も、決して夢ではないだろう。
今はケガの治療に専念し、万全な状態でまた「内村航平」選手の美しい体操を体現して欲しい。