2018年1月4日、元横綱日馬富士の暴行事件をめぐって日本相撲協会の臨時評議員会が開かれ、全会一致で貴乃花親方の理事解任が決定しました。
相撲協会で理事が解任されるのは史上初めてのことで、貴乃花親方は「役員待遇委員」に降格となりました。
今回の貴乃花親方の理事解任にあたり、池坊保子議長の会見での発言と、気になる貴乃花親方の今後についてお話ししたいと思います。
■日本相撲協会・評議員
※外部有識者※
- 池坊保子 議長 (元文部科学副大臣)
- 海老沢勝次 (元NHK会長) 【欠席】
- 小西彦衛 (元日本公認会計士協会副会長)
- 千家尊祐 (出雲大社宮司) 【欠席】
※力士出身者※
- 佐藤忠博 (元十両 大竜) 大嶽部屋
- 竹内雅人 (元大関 雅山) 藤島部屋
- 南 忠晃 (元小結 大徹) 二所ノ関部屋
■池坊保子議長 会見での発言
「本日、午前11時より開催いたしました臨時評議員会におきまして、12月28日の臨時理事会で決議され評議員会に付議されました議案「貴乃花理事解任」の件について審議し、貴乃花理事の解任が決定しましたのでお知らせいたします」
解任理由について】
- 日馬富士の暴行問題に対して報告義務を怠ったこと
- 危機管理委員長による調査への協力を拒否したこと
「これらは、いずれも公益法人の役員としてはおよそ考えられない行為」
「また上司であり先輩でもある八角理事長が何度携帯に電話しても全く応答なく、折り返しの電話もないというのは著しく礼を欠いていたのではないか」
「貴乃花元理事には是非、評議員会の理事解任の決議を厳粛に受け止め、真摯に反省し、今後は協力し合い、礼を持って行動していただきたいなと私は切に希望しています」
Q.理事候補として貴乃花親方があがったとき、評議員会としてはどう対応しますか?
「今のところそのようなことをみんなで話し合ったことも御座いませんし、それについては考えておりません」
「理事候補としてあがってきたならば、また話し合いをするなどの過程を経て、評議員会で厳粛に決めさせていただきたいと思います」
■貴乃花親方 理事解任後の影響
- 理事会の採決に加わることは出来ない
- 給料の減額
理事:月額144万8000円
委員:月額103万2000万
- 部長職からの除名
■貴乃花親方の今後の動向は?
今回の"理事解任"を受けて、相撲協会での影響力を奪われたかたちとなった貴乃花親方ですが、一方で「弟子の指導」「2月に予定される理事候補選への出馬」は引き続き可能とのことです。
特に気になる「2月に予定される理事候補選への出馬」は、専門家の間でも様々な意見が出ている状況です。
理事候補選の当確ラインは9~10票とされており、貴乃花親方はすでに当確ラインの票を確保している可能性が高いとみられています。
裏付けとして、前回の理事選では一門の枠を超えて支持され、他の支持勢力に票を分配する程の余裕があったとされています。
貴乃花一門の親方衆は8人、他にも貴乃花親方に同調する若い親方も多いのでさらに票を伸ばすのではと考えられています。
一方で相撲協会は「理事候補としてあがってきたならば、また話し合いをするなどの過程を経て、評議員会で厳粛に決めさせていただきたいと思います」としており、理事候補として現段階では貴乃花親方を認めてはいない節の発言をしています。
しかし、専門家からみても貴乃花親方への支持は絶大で、現在の支持力を考えると理事長になる可能性も0ではないといいます。
相反する思惑を感じさせる相撲協会と貴乃花親方ですが、今後どのような動向をみせるのか気になるところです。
■まとめ
日本相撲協会史上初となる"理事解任"。
日本の相撲界に、今大きな変化が起きようとしているのかもしれません。
第三者からみると「被害者側」でありながら相撲協会に翻弄されているようにすらみえる貴乃花親方の姿に、疑問と相撲界の闇を感じずにはいられません。
相撲界、力士たちにとって今回の問題が良い方向へ向かい解決することを願いたいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。